BLUEGRASS INSTRUMENTS
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Mandolin Gibson F-5Lloyd Roar(1924) of Bill Monroe. Counry Music Museum Nashville.TN.USA カントリー音楽博物館所蔵のビルモンローのマンドリン。ブルーグラスの生みの親、様々な歴史とエピソードに包まれたプレミア億単位の超ビンテージマンドリン。独特のフォルムは立っても弾けるように考案された20世紀初頭のモダンなデザイン。パーラー音楽全盛期の当時は、女性用にスケールの短いラウンドホールのF-4、ティアドロップ(涙)型のA型などギブソン社以外でも多くの形のマンドリンが作られた。 ブルーグラスではF-5型と呼ばれるこのタイプが主流で、見かけによらず音の大きさには驚かされる。同じギブソンでも制作された年代や制作者によって音色が違う。最近では個人制作者のマンドリンも多くメーカー品を超えた人気を誇るマンドリンも多い。日本でもWade(ウエード)やNAO(ナオ)など世界レベルの個人制作のマンドリンがあり、2010年のIBMAでWadeのモンローマンドリン(写真)のレプリカがちょっとした話題を呼んでいた。 奈良には柳生にFutureマンドリン工房があり、奈良のブルーグラッサーは必須のアイテムとのうわさもある。 ちなみに私が現在使用しているマンドリンはGibson F-5L fern (Steve Carlson1989) YouTubeここで、ほぼ同製造マンドリン画像がUP。 |
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Guitar Martin D-28(1950) of the Lester flat. Counry Music Museum YouTobe Flat&ScruggsTV出演のThe Beverly Hillbillies (じゃじゃ馬億万長者) Nashville.TN.USA カントリー音楽博物館所蔵のブルーグラスの大スターFlat&Scruggsのレスターフラットが所有していたD-28。 ブルーグラスのギターもほぼマーチンD-28が定番。ドレッドノートと呼ばれる大きなボディーはフラットピックで力強い弾くリズムやリードに最適。(レスターはサムピックを愛用していた) この形のギターは表はスプルース(トウヒ・北米松)バックとサイドの材質によって音色や用途が違う。ブルーグラスに最適なのがハカランダ(Jacaranda) 。特に1950年代のD-28がブルーグラッサーのあこがれ。ハカランダ材はワシントン条約で輸入が禁止されているため、現在はローズウッドが主流。最近ではマホガニー材のD-18も人気。 ブルーグラス奏法の定番、Gランとはオープニングやエンディングのリックの一つ。独特の間がカントリーテイストを醸し出すが、決まればいいけどね。 |
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Banjo Gibson Glanada TB Conversion (TB=テナーバンジョ−) 浜松楽器博物館Banjo博覧会(2010/7-9) YouTube 幻のフェス動画!BanjoJam ブルーグラス音楽を特徴付ける5弦Banjo。楽器としてのルーツは古く、日本の三味線など、アフリカからヨーロッパ、アメリカ、アジアまで様々に形を変えて広く分布する。5弦バンジョーの中で最高といわれているのは戦前(第2時世界大戦)前に(pri-War)製造されたグラナダ。当時5弦Banjoは製造が少なかったためデキシーなどで使う4弦バンジョーをコンバージョンして5弦に改造するのが多かった。2010年の夏に浜松楽器博物館で開かれたBanjo博覧会では貴重なルーツ楽器や江戸時代に日本にも来ていたバンジョー等、壮大なコレクションの展示館で好評を博したが、その展示の中に、同年亡くなられた神奈川県の大森氏のプリウォー・グラナダが展示されていた。 5弦バンジョーの特徴は5弦がドローン弦でしかもネックの途中から一番高い音の弦が張ってあり、ロールといった独特の弾き方でまさにいわゆるBanjoらしい音を作り出している。ブルーグラスバンジョーの先駆けは写真の中のポスターで紹介されているEarlScruggs。モンローとスクラッグスでブルーブラスが生まれたといっても過言ではない。 Banjoは細かな部品に分かれ、パーツごとに独自の進化を遂げている楽器。ブルーグラッサーのBanjo弾きはこだわりの人が多く、年代もさることながら、マホガニーやメイプルなど木の材質、banjo独特の音を作り出す金属製のトーンリング、その他パーツが多い分、そのこだわりは半端ではない。Banjoオタクという言葉がこの世界では市民権を得ている。 |
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Fiddle By John Hartford Counry Music Museum Nashville.TN.USA カントリー音楽博物館所蔵のジョンハートフォードのFiddle。 YouTube John Hartford 動画 バイオリンが民族音楽で使用されるときは、Fiddle(フィドル)とよばれます。ジプシー系、ジャズ系、スパニッシュ系の場合はどうゆうわけかバイオリンと呼ぶようです。(なぜか?) Bluegrass Fiddleは、Bill MonroeとBluegrass Boys、Flatt and Scruggsらのフィドル奏者が演奏スタイルの基礎を作ったと言えます。 ダンス音楽の伴奏や器楽曲としてのFiddle音楽の要素を取り入れて、Bluegrassという新しい音楽のリズムと曲想にあったスタイルをそれぞれのバンドのフィドル奏者が手持ちのフレーズを参考にして考案していったのです。 最初に開発された伴奏や間奏のフレーズは、次代のフィドル奏者によってコピーされ、洗練されたものになっていきました。 Bluegrassファンたちは、新しいフレーズとともにそういった初期に開発されてたフレーズがたまに聞こえることで懐かしさを感じるのです。 最初は、バンドの一構成員として出発したBluegrassFiddleですが、その後、他のジャンル(ジャズ、ブルース、ロックなど)の影響を受けて独自の発展を遂げます。北米におけるFiddle音楽は、古き良き時代を思い出させてくれる民族音楽の側面と他の音楽を吸収していままでにない新鮮な驚きと感動をもたらしてくれる音楽文化なのです。【Fiddler上田】 |